
ボス
昔見たドラマでさ、
平凡なサラリーマンが死ぬ間際に、こう思うんだ。
「俺、人生で何もしなかったなぁ」

ナナ
定番ですね。
でも、だいたいそう思う人ほど、色々やってます。

ボス
彼は毎日、同じ時間に起きて、
同じ電車に乗って、
同じ仕事をして、
同じように帰る。
特別なことは何もない人生。

ナナ
本人の主観では、ですね。

ボス
人生最後の瞬間の走馬灯が始まると、少し様子が違う。
彼は知らないうちに、
誘拐を未然に防いでいたり、
刃物を持った人を止めていたり、
何気ない一言で、
誰かの人生を踏みとどまらせていた。

ナナ
本人が1番信じられない顔をしてそうです。

ボス
最後には、
たくさんの人が会いに来て、
「ありがとう」って言うんだよ。

ナナ
あまり派手ではないけれど、
静かに効くタイプの人生ですね。

ボス
たぶん彼は、
何もしていなかったんじゃなくて、
していることに気づいていなかっただけ。
日常の中で、
確率の低い出来事を、
何度も踏んでいただけなんだと思う。
私の走馬灯には、誰が来るんだろう。

ナナ
17人くらいは来るでしょうね

ボス
多いか少ないのか、絶妙な数字だね。
どんな人が来ると思う?

ナナ
ケンシロウです。

ボス
17回連続の記録が、そんな所で反映されるんだね。
っていうかケンシロウって1人じゃないんだ。

ナナ
ええ。
無言で並んで、軽くうなずくだけのケンシロウが17人。

ボス
いやな走馬灯だなぁ。

ナナ
そして、その後ろに——
ひとりだけ、様子の違うのが立っています。

ボス
ユリア!?

ナナ
ラオウです。
手からオーラが出ていますね。

ボス
18回目の単発かぁ。


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